核心概念
本論文は、n型トランジスタを出力スイッチとして使用し、単一のブートストラップコンデンサを共有することで、低コストかつ小面積の単一インダクタ多出力DC-DCコンバータを実現している。
要約
本論文は、単一インダクタ多出力(SIMO) DC-DCコンバータに関するものである。従来のSIMOコンバータでは、各出力に対して大型のオフチップブートストラップコンデンサと2つのパッドが必要であったが、提案手法では単一のブートストラップコンデンサを共有し、1つのパッドのみで実現している。
具体的な動作は以下の通り:
スイッチSp、Syをオンにすることで、インダクタ電流が充電される。この際、ブートストラップコンデンサの下端がグラウンドに接続され、ダイオードDBを通じてコンデンサが充電される。
次のフェーズでは、出力スイッチSout_jをオンにして、インダクタ電流を出力コンデンサに放電する。このとき、VL+、VSj、Vout_jの3つの端子が等電位となり、ブートストラップコンデンサの上端がVout_j+Vcとなり、出力スイッチのゲートに接続される。
提案手法では、n型トランジスタの低オン抵抗特性を活かしつつ、ブートストラップドライバを効率的に共有することで、低コストかつ小面積のSIMOコンバータを実現している。試作チップの測定結果では、97%のピーク効率と20mV以下の出力リプルを達成している。
統計
入力電圧: 1.5V~4.2V
出力電圧: 1V~12V
最大効率: 97%
出力リプル: 20mV以下
引用
"提案手法では、単一のブートストラップコンデンサを共有し、1つのパッドのみで実現している。"
"n型トランジスタの低オン抵抗特性を活かしつつ、ブートストラップドライバを効率的に共有することで、低コストかつ小面積のSIMOコンバータを実現している。"