急性腎障害(AKI)は、入院患者の10~30%に発症し、予後不良や慢性腎臓病のリスク増加、約24%の高い死亡率と関連する深刻な疾患である。現在のAKIの診断は、血清クレアチニン値の急激な上昇、尿量の減少、またはその両方を基準としているが、これらの指標は感度が低く、治療介入のタイミングを逃してしまう可能性がある。また、腎臓以外の要因でも変動するため、AKIの原因を特定するには不十分である。
記事では、AKIの診断における新たなバイオマーカーの開発に焦点を当て、特に近年注目されているNGALとCXCL9について解説している。NGALは小児患者では有効性が示されているが、成人患者では他の細胞からも放出されるため、その有用性は限定的であった。しかし、最近の研究では、肝硬変とAKIを併発する患者においても、NGALが有効なバイオマーカーとなる可能性が示唆されている。
一方、CXCL9は、薬剤性のAKIである急性間質性腎炎(AIN)の診断に有用なバイオマーカーとして期待されている。AINは、プロトンポンプ阻害薬、抗がん剤、非ステロイド性抗炎症薬、抗生物質など、様々な薬剤によって引き起こされるため、早期診断と原因薬剤の中止が重要となる。現在のところ、AINの確定診断には腎生検が必要であるが、出血のリスクを伴うため、より安全で迅速な診断法が求められている。
記事では、CXCL9を用いたAIN診断の研究を紹介し、その有効性と将来性について論じている。現時点では、NGALと同様に、CXCL9もFDAの承認を得る必要があり、臨床現場で使用できるようになるまでには数年かかる見込みである。
AKIの診断において、従来の指標に加えて、新たなバイオマーカーの開発と臨床応用が期待されている。
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