核心概念
本研究では、XL-MIMO システムにおける球面波面効果と空間非定常性を考慮した上で、可視領域検出とチャネル推定を統合的に行う手法を提案する。提案手法は、アンテナドメインの空間相関と波数ドメインの疎性を同時に活用することで、従来手法に比べて大幅な性能向上を実現する。
要約
本研究では、XL-MIMO システムにおける可視領域検出とチャネル推定の統合的アプローチを提案している。
まず、XL-MIMO チャネルの特性を分析し、球面波面効果と空間非定常性が波数ドメインの疎性に及ぼす影響を明らかにした。
次に、提案手法は2段階のアプローチで構成される。第1段階では、アンテナドメインの空間相関を活用した可視領域検出手法(VRDO-MP)を提案する。第2段階では、得られた可視領域情報と波数ドメインの疎性を活用し、信念ベースのOMP(BB-OMP)によるチャネル推定を行う。
シミュレーション結果より、提案手法は従来手法に比べて、特に低SNR環境下でも優れた可視領域検出精度とチャネル推定精度を実現できることが示された。これは、提案手法が両ドメインの特性を効果的に活用できているためである。
統計
可視領域が大きい場合(ψ = 0.7)、空間非定常チャネルの波数ドメインは空間定常チャネルに比べてより疎になる。
可視領域が小さい場合(ψ = 0.2)、空間非定常チャネルの波数ドメインには多くの有意な空間周波数成分が存在する。
引用
空間非定常性は、有効アレイ aperture の減少と周波数リークの増加をもたらす。これにより、波数ドメインのチャネルスパース性が変化する。