本論文では、多項式環F2[x]/⟨Pp−1
i=0 xiτ⟩上の2つの新しい符号クラスであるETBRとESIPコードを定義し、それらから派生した変種符号であるV-ETBRとV-ESIPコードを提案している。
まず、ETBRとESIPコードは、パリティチェック行列Hがより一般的な形式を持つことで、従来のBR(Blaum-Roth)コードやIP(Independent-Parity)コードを拡張したものである。
次に、V-ETBRとV-ESIPコードは、これらETBRとESIPコードのパリティチェック行列をバイナリ行列に写像することで得られる変種符号である。
本論文では、V-ETBRとV-ESIPコードがMDS配列符号となる条件を明らかにしている。具体的には、ETBRやESIPコードがMDS符号であり、かつパリティチェック行列の要素が特定の性質を満たすことが必要である。
さらに、Vandermonde行列に基づくV-ETBRとV-ESIP MDS配列符号に対して、最低限の計算量で高速なシンドローム計算を提案している。これは、有限体上のリード-ソロモン符号のシンドローム計算を拡張したものと位置付けられる。
全体として、本論文は、単純なバイナリパリティチェック行列を用いた新しい変種符号を提案し、その構成と高速計算手法を明らかにしたものである。
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