本論文では、グラフHkの安定集合多面体のLS+ランクについて分析している。
まず、グラフHkの定義と基本的な性質を示す。Hkは、完全二部グラフの辺を長さ2の経路に置き換えることで構成される。Hkには豊富な対称性があり、特に、A2-balancing自己同型写像が存在する。
次に、A-balancing自己同型写像の性質を利用して、LSp
+(Hk)の2次元の影(shadow)Φ(LSp
+(Hk))を考察する。これにより、LSp
+(Hk)の重要な性質を2次元の問題に帰着させることができる。
さらに、Φ(STAB(Hk))を完全に特徴付ける。これにより、Φ(LSp
+(Hk))とΦ(STAB(Hk))の差を見つけることで、r+(Hk) > pを示すことができる。
具体的には、Lemma 16で、wk(a, b)がLS+(Hk)に属するための必要十分条件を特徴付ける。これを用いて、Φ(LS+(Hk))を3つの線形不等式と1つの二次不等式で記述できる集合に含まれることを示す。この集合はΦ(STAB(Hk))より大きいことから、r+(Hk) ≥2が導かれる。
最後に、再帰的な議論により、r+(Hk) = Ω(|V (Hk)|)を示す。これは、これまでの最良の結果を大幅に改善するものである。
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