本論文は、Function as a Service (FaaS)プラットフォームのクラスター管理に関する新しいシステムアーキテクチャ「Dirigent」を提案している。
現在のFaaSクラスター管理システムは、Kubernetesなどの既存のオーケストレーションシステムの上に構築されているが、これらは高いサンドボックス作成レートに対応できず、スケジューリング遅延が問題となっている。
Dirigentは、FaaSワークロードに特化した設計原則に基づいて構築されている。具体的には以下の3つの原則に基づいている:
内部クラスター管理抽象化の簡素化
クリティカルパスでの永続化の排除
モノリシックなコントロールプレーンとデータプレーン
これらの設計原則により、Dirigentは従来のFaaSクラスター管理システムと比べて、大幅な性能向上を実現している。具体的には、2500件/秒の高いサンドボックス作成スループットと、AWS Lambdaと比べて2.79倍高速なスケジューリングレイテンシを達成している。また、コントロールプレーン、データプレーン、ワーカーノードの障害に対しても高い耐障害性を示している。
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