本研究では、膝蓋大腿関節の動態を観察するための新しいシステムを提案した。従来の撮像方法では、コストや金属アーチファクトの問題があり、関節運動を無拘束で観察することが困難であった。
提案手法では、2D超音波と運動追跡を組み合わせ、セマンティックセグメンテーションと位置姿勢登録を用いて関節の3D再構築を行う。特に、超音波スキャナの軌跡推定に、視覚慣性オドメトリ(VIO)と深層学習慣性オドメトリの2つの手法を検討した。
実験の結果、VIO法はモーションキャプチャ法と同等の精度(平均再構築誤差1.25 mm vs 1.21 mm)を達成し、外部インフラを必要としない初の手法であることが示された。一方、慣性センサのみを用いる手法は再構築誤差が大きかったが、スキャナ運動のモデル化に一定の効果があることが分かった。
今後の課題として、慣性センサのみを用いる手法の精度向上、関節位置推定のための統計的形状モデルの活用などが考えられる。提案手法は、特に全置換膝関節術後の患者における膝蓋骨の動態解析に有用であると期待される。
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by Russell Buch... om arxiv.org 04-25-2024
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