本研究は、高齢者の認知機能低下を捉えるバイオマーカーとしての「脳年齢」の有用性を検討したものである。
まず、「脳年齢」は個人の年齢情報とほぼ重複しており、年齢以外の情報をほとんど提供しないことが示された。つまり、「脳年齢」を用いても、個人の年齢情報から得られる以上の情報は得られない。
次に、「脳年齢」予測モデルの性能が高いからといって、必ずしも認知機能の説明力が高いわけではないことが明らかになった。むしろ、予測モデルの性能が高いほど、「脳年齢」と年齢の共通部分が大きくなり、認知機能の説明力は低下する傾向にあった。
最後に、MRIデータから直接認知機能を予測するモデルを使うことで、「脳年齢」では捉えられない認知機能の変動を捉えられることが示された。このモデルは、「脳年齢」と年齢を用いた場合に比べ、認知機能の変動をさらに11%説明できることが明らかになった。
以上より、高齢者の認知機能低下を捉えるバイオマーカーとしての「脳年齢」の有用性は限定的であり、MRIデータから直接認知機能を予測するモデルの活用が重要であることが示唆された。
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by Tetereva,A.,... klokken www.biorxiv.org 01-02-2023
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2022.12.31.522374v5Dypere Spørsmål