スナイダー-ロビンソン症候群(SRS)は、スペルミン合成酵素(SMS)遺伝子の変異によって引き起こされる。SRS患者の細胞では、スペルミジンの蓄積とスペルミンの減少により、スペルミジン/スペルミン比が異常に高くなる。この生化学的特徴は症状の重症度と相関する。
本研究では、ポリアミン代謝を薬理学的に調整し、この異常なポリアミン比を是正する治療戦略を検討した。
DFMOは、ポリアミン生合成の律速酵素であるオルニチンデカルボキシラーゼを不可逆的に阻害する。SRS患者由来の細胞株に対するDFMO処理により、スペルミジンの蓄積が減少し、スペルミンの生成が促進された。この機序には、DFMOによるS-アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼ(AMD1)活性の誘導が関与しており、AMD1の活性化により脱炭酸S-アデノシルメチオニンの供給が増加し、変異型SMSによるスペルミンの生成が促進された。
一方、SMS機能が完全に欠失した細胞株では、DFMOによってスペルミジンは減少したものの、スペルミンの生成は認められなかった。
SRS患者由来の線維芽細胞を用いた実験では、DFMOに対する感受性が変異の種類によって異なることが示された。一般的に、SRS患者の変異は機能低下型(hypomorphic)であり、これらの細胞はDFMOに対して比較的抵抗性を示した。一方、完全欠失型の変異を持つ細胞は、より高感受性を示した。
さらに、SRS Drosophila モデルにおいて、DFMOの経口投与により寿命が延長した。
以上の結果から、DFMOはSRS患者の生化学的特徴を標的とした治療戦略として有望であり、既承認薬の再利用として臨床応用が期待される。
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by Stewart,T. R... o www.biorxiv.org 03-30-2023
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