本研究は、ヒト硫酸化グルコサミン N-アセチルトランスフェラーゼ(HGSNAT)の構造と機能を明らかにしている。
HGSNAT は、ヘパラン硫酸の分解に必須の酵素で、リソソーム膜に局在する。HGSNAT は、細胞質のアセチルCoAからアセチル基を受け取り、リソソーム内腔のヘパラン硫酸の末端アミノ基にアセチル化を行う。HGSNAT の機能不全は、ミューコ多糖症IIIC(MPS IIIC)と呼ばれる常染色体劣性の神経変性リソソーム蓄積症を引き起こす。
本研究では、クライオ電子顕微鏡法を用いて、HGSNAT-アセチルCoA複合体の高分解能構造を決定した。この構造は、HGSNAT触媒反応の第一段階を捉えたものである。また、MPS IIIC 関連変異をHGSNAT構造にマッピングし、変異によるHGSNAT機能障害の分子基盤を明らかにした。
HGSNAT は、2量体構造をとり、各サブユニットは11個の膜貫通ヘリックスと1つの細胞外ドメインから成る。アセチルCoAは、膜貫通ドメインの中央に位置する活性部位に結合している。活性部位は、細胞質側と細胞外側の両方から接近可能であるが、細胞外側からの方が容易である。
MPS IIIC 関連変異のほとんどは、HGSNAT の立体構造を不安定化させ、HGSNAT の機能障害を引き起こすことが明らかになった。特に、ドメイン間の相互作用を乱す変異や、触媒部位の変異が最も大きな影響を及ぼすことが示された。
本研究の成果は、HGSNAT の触媒機構の理解と、MPS IIIC の治療法開発につながる重要な知見を提供している。
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Kluczowe wnioski z
by Navratna,V.,... o www.biorxiv.org 10-25-2023
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2023.10.23.563672v3Głębsze pytania