本研究では、エタノール誘発性の急性胃粘膜障害モデルを用いて、カプサイシンの保護効果とその作用機序を明らかにした。
まず、ヒト胃粘膜上皮細胞(GES-1)を用いた実験では、カプサイシンの前処理によりエタノールによる酸化ストレスが抑制され、細胞生存率が改善された。この際、カプサイシンはNRF2の核内移行を促進し、下流の抗酸化遺伝子の発現を上昇させた。
次に、カプサイシンがKEAP1と直接結合し、KEAP1-NRF2相互作用を阻害することを明らかにした。特に、カプサイシンはKelch領域に非共有結合的に結合し、KEAP1の立体構造を変化させることで、NRF2との結合を阻害することが示された。
さらに、カプサイシンナノ粒子(IR-HSA@CAP)を用いた動物実験では、エタノール誘発性の胃粘膜障害を著明に改善した。この際、IR-HSA@CAPはNRF2/ARE経路を活性化し、抗酸化・抗炎症作用を発揮することが明らかとなった。
以上より、カプサイシンは新規のNRF2アゴニストとして機能し、KEAP1との特異的な相互作用を介して酸化ストレス関連疾患の治療に寄与する可能性が示された。
To Another Language
from source content
biorxiv.org
Kluczowe wnioski z
by Gao,X., Zhan... o www.biorxiv.org 01-07-2024
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2024.01.06.574490v4Głębsze pytania