Conceitos essenciais
Med15 のポリグルタミン配列の長さと組成が、トランスクリプション因子との相互作用や標的遺伝子の発現を調節することが明らかになった。
Resumo
本研究では、メディエーター複合体のサブユニットである Med15 の機能と構造について詳細に調べた。
まず、Med15 内の様々な領域の欠失変異体を解析したところ、N末端の KIX ドメインと中央部の Q1 領域が重要な機能を担っていることが分かった。KIX ドメインは Oaf1 や Pdr1/3 などの転写因子と相互作用し、Q1 領域は Msn2 などの転写因子との相互作用に関与していた。
次に、Q1 領域のポリグルタミン配列の長さと組成を変化させた変異体を解析したところ、Q1 配列の長さや性質によって、標的遺伝子の発現パターンや表現型が大きく変化することが明らかになった。ポリグルタミン配列が長すぎたり、コイルドコイル構造を形成しやすい配列に置き換えると、Msn2 との相互作用が減弱し、Msn2 依存的な遺伝子発現が低下した。一方、ポリグルタミン配列が短い場合や、プロリンを含む配列に置き換えた場合は、Msn2 との相互作用が保たれ、遺伝子発現も正常に維持された。
これらの結果から、Med15 のポリグルタミン配列の長さと組成が、転写因子との相互作用を調節することで、標的遺伝子の発現を制御していることが示された。ポリグルタミン配列は、Med15 の構造的柔軟性を提供することで、転写因子との適切な相互作用を可能にしていると考えられる。
Estatísticas
Med15 のポリグルタミン配列の長さが12残基の場合、Msn2 依存的な遺伝子AHP1の発現が最も高かった。
ポリグルタミン配列の長さが36残基以上になると、Msn2 依存的な遺伝子GLK1、SSA1、HSP12の発現が低下した。
ポリグルタミン配列にプロリンを含む変異体では、Msn2 との相互作用が保たれ、Msn2 依存的な遺伝子発現も正常であった。
一方、ロイシンを含む変異体では、Msn2 との相互作用が著しく減少し、Msn2 依存的な遺伝子発現も低下した。
Citações
「ポリグルタミン配列の長さが36残基以上になると、Msn2 依存的な遺伝子GLK1、SSA1、HSP12の発現が低下した」
「ポリグルタミン配列にプロリンを含む変異体では、Msn2 との相互作用が保たれ、Msn2 依存的な遺伝子発現も正常であった」
「ロイシンを含む変異体では、Msn2 との相互作用が著しく減少し、Msn2 依存的な遺伝子発現も低下した」