本論文は、大規模言語モデル(LLM)を研究ツールとして活用する可能性と課題について検討している。
まず、既存研究を概観し、LLMがさまざまな研究分野で有用性を示していることを確認した。例えば、LLMは教育分野の試験合格や業務の生産性向上に貢献したほか、自然言語処理タスクでも人間の注釈者を上回る性能を発揮した。
次に、著者らの実験事例を紹介した。オンラインセクシャルハラスメントに関する短文データの分類に、LLMを活用したところ、人手による注釈と高い一致率を示した。ただし、約4分の1の誤分類があり、LLMの限界も明らかになった。
最後に、LLMを研究ツールとして活用する際の機会と課題を整理した。LLMは大規模なデータ分析を低コストで実現できるが、プロンプトチューニングの難しさやバイアスの問題、主観性の排除の難しさなど、慎重な検討が必要であることを指摘した。
LLMの研究への活用は、効率性と質の向上をもたらす一方で、方法論的・倫理的な懸念も存在する。本論文は、HCI分野におけるLLM活用の現状と課題を示し、責任ある統合に向けた議論に寄与するものである。
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