本研究では、セリアック病の病態を忠実に再現する新しい人工臓器モデルを開発した。内視鏡生検から採取した十二指腸組織を用いて、上皮細胞と間質細胞、組織常在性免疫細胞が共存する空気-液体界面培養(ALI)オルガノイドを作製した。このオルガノイドモデルでは、HLA-DQ2.5を発現する患者由来オルガノイドにグルテン由来ペプチドを添加すると、MHC-II分子やNKG2C/Dを介した免疫反応が誘発され、上皮障害が生じることが示された。さらに、グルテン刺激によりオルガノイド内のT細胞やB細胞、形質細胞、NK細胞、骨髄系細胞などの多様な免疫細胞集団が活性化し、抗トランスグルタミナーゼ2自己抗体の産生も認められた。機能解析の結果、IL-7がグルテン誘導性の上皮障害に必要不可欠な病原性調節因子であり、CD8+ T細胞のNKG2C/D発現を制御することが明らかになった。実際に、活動期のセリアック病患者生検では、間質の間葉系細胞でIL-7の発現が顕著に亢進していた。このようにALIオルガノイドモデルは、セリアック病の病態を忠実に再現し、新たな治療標的の同定につながる可能性がある。
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by Antó... på www.nature.com 07-24-2024
https://www.nature.com/articles/s41586-024-07716-2Djupare frågor