本研究では、シクリック ヌクレオチド結合ドメイン (CNBD) を持つイオンチャネルSthKのC末端領域の構造変化と自由エネルギー変化を、定常状態および時間分解遷移金属 FRET 実験により解析した。
まず、SthKC末端断片にドナー蛍光色素Acdとアクセプター金属イオンを導入し、定常状態 tmFRET 実験を行った。その結果、cAMPの結合により大きな構造変化が起こり、一方でcGMPは部分アゴニストとして弱い効果しか示さないことが明らかになった。
次に、時間分解 tmFRET 実験により、SthKC末端断片の構造変化の分布を詳細に解析した。2つのガウス分布の和でフィッティングした結果、アポ状態では12%が活性状態にあり、cAMPでは活性状態のみ、cGMPでは34%が活性状態にあることが分かった。これらの結果から、4状態モデルに基づいて自由エネルギー変化を算出した。cAMPでは大きな自由エネルギー変化を示すのに対し、cGMPは部分アゴニストとして弱い自由エネルギー変化しか示さないことが明らかになった。
さらに、塩濃度の変化がこれらの構造変化と自由エネルギー変化に影響することも示された。高塩濃度条件下ではcGMPの活性化が過大に評価されていたが、生理的な低塩濃度条件下では活性化が抑制されることが分かった。
本研究は、時間分解 tmFRET 法が CNBD チャネルの構造変化と自由エネルギー変化を詳細に解析する強力な手法であることを示している。また、SthKのC末端領域の構造変化とその調節機構の理解を深めるとともに、CNBD チャネルの機能制御に関する知見を提供している。
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by Eggan,P., Go... på www.biorxiv.org 04-27-2024
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