Centrala begrepp
CD8+T細胞の自己認識能力を示すCD5の発現レベルは、これらT細胞の活性化、増殖、および自己免疫疾患への寄与を決定する。
Sammanfattning
本研究では、非肥満性糖尿病(NOD)マウスのCD8+T細胞における自己認識能力の違いを明らかにした。
- CD5の発現が高い(CD5hi)CD8+T細胞は、CD5の発現が低い(CD5lo)CD8+T細胞に比べ、活性化マーカーの発現、増殖能、サイトカイン産生能が高い。
- CD5hiCD8+T細胞は、自己抗原IGRP特異的な細胞も多く含み、移入実験では早期に糖尿病を発症させる。
- CD5hiCD8+T細胞は、胸腺での陽性選択過程で高い自己反応性を獲得しており、その TCR repertoire にも自己免疫疾患関連クローノタイプが多く含まれる。
- 一方、TCR シグナル抑制因子Pepの過剰発現は、NODマウスでは糖尿病発症を抑制するが、高CD5発現のNOD8.3マウスでは効果がない。
以上より、CD8+T細胞の自己認識能力の違いが、自己免疫疾患の発症に重要な役割を果たすことが示された。
Statistik
CD5hiCD8+T細胞は、CD5loCD8+T細胞に比べ、p-CD3ζおよびp-Erkの発現が有意に高い。
CD5hiCD8+T細胞は、CD5loCD8+T細胞に比べ、T-bet、Eomes、Granzyme B、TNF-α、IFN-γ、IL-2の発現が有意に高い。
CD5hiCD8+T細胞は、CD5loCD8+T細胞に比べ、CXCR3、CD122、CD127の発現が有意に高い。
CD5hiCD8+T細胞は、CD5loCD8+T細胞に比べ、CD69、PD-1、KLRG-1、CD44、CD25の発現が有意に高い。
CD5hiCD8+T細胞は、CD5loCD8+T細胞に比べ、IGRP特異的T細胞の割合が有意に高い。
Citat
"CD5hiCD8+T細胞は、CD5loCD8+T細胞に比べ、活性化マーカーの発現、増殖能、サイトカイン産生能が高い。"
"CD5hiCD8+T細胞は、胸腺での陽性選択過程で高い自己反応性を獲得しており、その TCR repertoire にも自己免疫疾患関連クローノタイプが多く含まれる。"
"高CD5発現のNOD8.3マウスでは、TCR シグナル抑制因子Pepの過剰発現による糖尿病発症抑制効果が見られない。"