本研究では、連続変数系の量子状態トモグラフィーについて、トレース距離誤差に関する厳密な性能保証を与えている。
まず、エネルギー制限付きの純粋状態のトモグラフィーについて、必要なサンプル数が状態の次数nとトレース距離誤差εに対して指数関数的に増大することを示した。これは、有限次元系のトモグラフィーでは誤差εに対して2乗で増大するのとは対照的な、連続変数系特有の「極端な非効率性」である。
一方で、ガウス状態については、その第一モーメントと共分散行列を精度εで推定することで、トレース距離誤差をεに抑えられることを示した。さらに、ガウス状態にわずかな非ガウス性を加えた「t-doped ガウス状態」についても、t=O(1)の場合に効率的な学習が可能であることを明らかにした。
これらの結果は、連続変数系の量子状態トモグラフィーにおける基本的な限界と可能性を示したものであり、関連する量子情報分野の発展に寄与するものと考えられる。
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