核心概念
重み付き一般グラフにおける最大マッチングを、ログ(n)/εパスでの(1-ε)近似計算を可能にする簡単なアルゴリズムを提案する。
摘要
本論文では、重み付き一般グラフにおける最大マッチングの(1-ε)近似計算のための簡単なセミストリーミングアルゴリズムを提案する。
アルゴリズムの概要は以下の通り:
- 重要度に応じてエッジをサンプリングし、サンプルグラフの最大マッチングを計算する。
- サンプルグラフの最大マッチングサイズが十分大きくない場合、サンプルに含まれていないエッジの重要度を増加させる。
- 上記のステップを繰り返し行い、最終的に(1-ε)近似の最大マッチングを得る。
アルゴリズムの分析では、マッチング理論の双対性を活用し、ログ(n)/εパスでの収束を示す。また、セミストリーミング実装においても、頂点被覆や奇数集合被覆の計算を効率的に行うことで、ログ(n)/εパスと線形空間を実現する。
本アルゴリズムは、従来の複雑なアプローチと比べて非常に単純であり、かつ同等の性能を達成する。これにより、最大マッチング問題に関する理論的理解の深化と、より実用的なアルゴリズムの開発につながることが期待される。
統計資料
入力グラフGの頂点数をnとする
入力グラフGの重み付きエッジ集合をEとする
入力グラフGの最大重み付きマッチングのサイズをμ(G,w)とする
アルゴリズムの近似精度をεとする
アルゴリズムの反復回数をRとする
引述
"簡単な(1-ε)近似セミストリーミングアルゴリズムによる最大(重み付き)マッチングの計算"