核心概念
オンラインの対立的な言説では、特定のグループを「他者」として描き、それを正当化するための言語表現が用いられる。これは社会的な分断を生み出し、暴力につながる危険性がある。
摘要
本研究は、ロシアとウクライナの戦争ブロガーのテレグラムメッセージ、およびGabのメッセージを分析し、「他者化」の言語表現の特徴を明らかにしている。
主な知見は以下の通り:
ロシアとウクライナの戦争ブロガーでは、重要な出来事を契機に「他者化」の言語表現が増加する。ただし、その背景にある要因は両者で異なる。
「他者化」の言語表現には、道徳的な言語が強く関連しており、両陣営で異なる道徳的フレームが用いられている。これは、「他者化」を正当化する手段として機能している。
「他者化」の言語表現は、より多くの注目を集める傾向にあり、特に危機的な状況下でその傾向が強まる。これは、「他者化」が影響力を持つ手段となっていることを示唆している。
全体として、本研究は「他者化」の言語表現の特徴を明らかにし、その社会的影響を理解する上で重要な知見を提供している。オンラインでの対立と偏見の問題に取り組むためには、このような言語表現の動態を把握することが不可欠である。
統計資料
「ウクライナ人は私たちの歴史と文化を破壊しようとしている」
「ゼレンスキー政権は30トンのプルトニウムと40トンの濃縮ウランを蓄えている。彼らは自国の核爆弾を作ろうとしている」
「これらはゾンビだ。8年間のナチズムとバンデラ化により、もはや人間ではない」
引述
「ウクライナ人の少女たちは人質の背後に隠れてしか戦えない。彼らのすべての勇気は『ムスコビートを吊るせ』というスローガンに消えた。しかし、ロシア軍が来ると、彼らはおしっこをした」
「これらは兄弟だったかもしれないが、8年間のナチズムとバンデラ化により、もはや非人間になってしまった。だからわれわれの軍隊は全ての兄弟に武器を置くよう呼びかけるのだ、そうすれば兄弟と感染したゾンビを見分けられるだろう」