核心概念
ファンコミュニティは、アルゴリズムに関する集団的な理解を構築し、それに基づいて大規模な協調的なアルゴリズム行動を組織することができる。
摘要
本研究は、2年間にわたる民族誌的調査を通して、ファンコミュニティがアルゴリズムに関する集団的理解を構築し、それに基づいて協調的なアルゴリズム行動を組織する過程を明らかにしている。
まず、ファンはアルゴリズムが自身のアイドルの可視性に大きな影響を与えることを認識し、アルゴリズムに働きかける必要性を理解する。次に、コアファンが中心となって、プラットフォームやカルチャーの違いを考慮しながら、アルゴリズムの仕組みに関する集団的な理解を構築する。そして最後に、この理解に基づいて、コアファンが一般ファンを動員し、協調的なアルゴリズム行動を組織・実行する。
この一連のプロセスを通して、ファンコミュニティは、アルゴリズムに対する集団的な影響力を発揮することができる。本研究は、HCIにおける集団的アクションの理解を深化させ、アルゴリズムに対する大規模な集団的行動の可能性を示唆している。
統計資料
"ブランドはアイドルのデータパフォーマンスを重視する。良好なデータは、アイドルにとってより有利な条件をもたらす。"
"ウェイボーの「熱」指標は、コメントの順位に大きな影響を与える。ファンはこの指標を操作することで、自身のアイドルに有利なコメントの順位を高めることができる。"
"中国とKoreaのソーシャルメディアプラットフォームでは、アルゴリズムの振る舞いが大きく異なる。中国では「熱心なファン」ステータスや有料会員資格が重要だが、Koreaではそうした条件はない。"
引述
"まず、アルゴリズムを活用することがアイドルにとって有益であることを理解する必要がある。そして、その影響が非常に大きいことも理解しなければならない。そうでなければ、私たちはこれほど懸命に取り組んでいないはずです。"
"ウェイボーのアルゴリズムは完全に透明ではありません。ユーザーには見えない指標「熱」が重要な役割を果たしています。ファンはこの「熱」を操作することで、自身のアイドルに有利なコメントの順位を高めることができます。"