本論文では、簡単な多角形内の点集合に対して、スパナーの複雑度を抑えつつ、良好な伸長比を持つスパナーを構築する手法を提案している。
まず、1次元の加重ユークリッド空間上で、2-スパナーを構築する手法を示す。この1次元スパナーを基に、簡単な多角形内の点集合に対して、2√2-スパナーを構築する。さらに、この手法を一般化し、任意の定数 k ≥ 1 に対して、2√2k-スパナーで複雑度が O(mn^(1/k) + n log^2 n) のスパナーを構築する。
次に、多角形領域に拡張し、緩和された測地線 6k-スパナーを構築する。多角形領域では、最短路が単純多角形と同相にならない可能性があるため、エッジを最短路に限定せず、任意の経路を許す緩和された測地線スパナーを考える。この緩和されたスパナーは、複雑度が O(mn^(1/k) + n log^2 n) で構築できる。
最後に、任意の定数 ε ∈ (0, 1) と整数定数 t ≥ 2 に対して、(t - ε)-スパナーの複雑度下限 Ω(mn^(1/(t-1)) + n) を示す。これにより、提案した 2k + ε-スパナーの複雑度は最適解に近いことが分かる。
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