本研究では、心臓組織スラブ内のスクロールウェーブの動態に対する境界層の不均一性の影響を探った。
まず、均一な心臓組織スラブでは、興奮性パラメータτdの減少に伴い、スクロールウェーブがメアンダリング不安定性を示すことを確認した。次に、スラブの上下の境界層における細胞間結合強度を低下させることで、この不安定性が抑制されることを示した。
詳細な解析により、境界層の不均一性には二つの効果があることが分かった。α < αfの場合、境界層への電位の漏れ出しが生じ、スクロールウェーブの回転周波数が低下する。一方、α > αfでは、バルク領域と境界層の間に非自明な電位差が生じ、バルクがスクロールウェーブを境界層に駆動する。これらの効果により、境界層の不均一性がスクロールウェーブの安定性を高めることが明らかになった。
さらに、バルク領域とわずか1枚の境界層スライスのみを考慮した簡略化モデルを提案し、数値シミュレーションの結果を良く再現できることを示した。
本研究の成果は、心臓不整脈の治療における新たな制御手法の開発につながる可能性がある。特に、最小限の組織破壊で境界層の不均一性を導入する ablation 手技の改善に役立つと期待される。
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