本研究では、ヨーロッパクロカミキリの発達過程における腸内細菌叢の変化を調べた。218個の検体を分析した結果、以下のことが明らかになった。
腸内細菌叢の多様性と構造は、発達段階によって大きく変化した。しかし、この変化は脱皮時ではなく、発達段階の移行時に起こっていた。
卵から孵化直後の幼虫にかけて、新たな細菌属が徐々に定着し、細菌叢の多様性が増加した。一方、第2齢幼虫から第3齢幼虫への移行時には、細菌叢の多様性が一時的に減少した。
第3齢幼虫から第4齢幼虫への移行時には、再び細菌叢の多様性が増加した。これは新たな細菌属の定着によるものと考えられる。
母性ケアの有無は、幼虫の腸内細菌叢の構造と機能に影響を及ぼした。母性ケアを受けた幼虫は、より多様な系統の細菌を保有していた。この影響は、母性ケアが終了した2ヶ月後の成虫においても見られた。
以上の結果から、ヨーロッパクロカミキリの発達過程における腸内細菌叢の変化は、脱皮ではなく発達段階の移行時に起こることが明らかになった。また、母性ケアが腸内細菌叢の構造と機能に長期的な影響を及ぼすことが示された。
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by Cheutin,M.-C... 於 www.biorxiv.org 03-26-2024
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