核心概念
正方形対角直交行列を用いることで、より一般的で柔軟な知識グラフ埋め込みモデルを実現し、従来の回転ベースの手法よりも優れた性能を示す。
摘要
本研究では、OrthogonalEと呼ばれる新しい知識グラフ埋め込みモデルを提案している。このモデルは、エンティティを行列で表現し、関係を正方形対角直交行列で表現することで、より一般的で柔軟な知識グラフ埋め込みを実現する。
具体的には以下の3つの特徴を持つ:
- エンティティを行列で表現することで、関係パラメータの増加を抑えつつ、エンティティ次元を柔軟に調整できる。
- 回転行列ではなく正方形対角直交行列を用いることで、より高次元の回転を表現できるようになり、モデルの一般性が向上する。
- 正方形対角直交行列の最適化にリーマン最適化を用いることで、より安定した学習が可能となる。
実験結果から、提案手法であるOrthogonalEは、従来手法と比べて優れた性能を示し、かつ関係パラメータ数を大幅に削減できることが確認された。さらに、対称性、反対称性、逆関係、非可換合成といった様々な関係パターンを同時に表現できることも示された。
統計資料
知識グラフの不完全性を解決するためにリンク予測が重要な研究課題となっている。
近年、回転ベースの知識グラフ埋め込み手法であるRotatEやQuatEが優れた性能を示しているが、モデルの柔軟性と一般性に課題がある。
提案手法のOrthogonalEは、エンティティを行列で表現し、正方形対角直交行列を用いることで、これらの課題を解決している。
引述
"回転ベースの手法は、エンティティ次元に応じて関係パラメータを増加させる必要があり、効率性に課題がある。"
"高次元の回転を表現するのは計算的に複雑であり、モデルの一般性に課題がある。"
"OrthogonalEは、これらの課題を解決し、従来手法を大幅に上回る性能を示す。"