本研究では、有限の長さと深さを持つPT対称正方形ポテンシャル井戸にデルタ関数ポテンシャルを加えた系を
解析した。
この系では、デルタ関数ポテンシャルの強さを増加させると、例外点が現れ、PT対称性が破れる。
固有状態の解析から、PT対称相では、井戸の外側で密度が蓄積または枯渇するのに対し、
PT対称性が破れた相では、系内部で密度の蓄積や枯渇が生じることが分かった。
散乱状態の解析から、PT対称相では、入射波が完全に透過するなど、輸送が効率的であるが、
PT対称性が破れると、反射や透過の異常な振る舞いが見られることが分かった。
これらの結果から、PT対称系の輸送特性は、系のパラメータに強く依存することが明らかになった。
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