核心概念
振幅減衰ノイズに対する最小の3量子ビット符号を提案し、その性能を示した。また、この符号が満たす近似量子誤り訂正条件を明らかにし、これに基づいて新しい量子符号クラスを構築した。さらに、振幅減衰ノイズに適応した量子ハミング界を導出した。
摘要
本研究では、振幅減衰ノイズに対する最小の3量子ビット符号を提案した。この符号は、ノイズの1次の項まで完全に訂正できる。従来の符号と比べて、この符号は資源効率が高く、エンタングルメント忠実度も優れている。
提案した符号は、ノイズ演算子を特定の部分空間に射影する条件を満たす。この条件は、既存の近似量子誤り訂正条件とは異なる。この新しい条件に基づいて、振幅減衰ノイズに適応した量子符号のクラスを構築した。この符号クラスは、ノイズの次数に応じて最適な符号長を持つ。
さらに、振幅減衰ノイズに適応した量子ハミング界を導出した。提案した符号クラスはこのハミング界を達成する。このことから、振幅減衰ノイズに対して最適な符号設計が可能であることが示された。
統計資料
振幅減衰チャネルのクラウス演算子A0とA1は、それぞれ無減衰誤りと単一量子ビット減衰誤りに対応する。
提案した3量子ビット符号の論理状態|0L⟩と|1L⟩は、A0とA0以外の1次の減衰誤りに対して直交する。
提案した符号の最悪ケースの忠実度は1-γ^2 + O(γ^3)であり、1次の減衰誤りまで完全に訂正できる。
提案した3量子ビット符号のエンタングルメント忠実度は1-0.5γ^2 + O(γ^3)であり、既存の4量子ビット符号より優れている。
引述
"我々は振幅減衰ノイズに対する最小の3量子ビット符号を提案した。"
"提案した符号は、ノイズ演算子を特定の部分空間に射影する条件を満たす。この条件は、既存の近似量子誤り訂正条件とは異なる。"
"提案した符号クラスは、ノイズの次数に応じて最適な符号長を持つ。"