核心概念
電流振幅制限付きインバータシステムの安定性を保証する線形フィードバック制御則を導出し、モデル予測制御に基づいて最適な制御器を学習する。
摘要
本論文では、電流振幅制限付きグリッドインターフェースインバータシステムの安定性と最適制御について検討している。
まず、システムの非線形飽和特性を明示的に考慮した上で、リアプノフ安定性の観点から安定化可能な線形フィードバック制御則の条件を導出した。この条件は線形行列不等式の形で表すことができ、制御器設計に利用できる。
次に、オフラインで生成したモデル予測制御の最適解をサンプリングし、導出した安定性条件を満たすように線形フィードバック制御器をフィッティングする手法を提案した。
シミュレーション結果より、提案手法により得られた制御器は、従来の線形二次レギュレータ制御器に比べて優れた制御性能を示すことが確認された。特に、従来の制御器では電流振幅制限に起因する安定性の問題が生じる一方で、提案手法の制御器は安定性を保ちつつ良好な追従性を実現できることが示された。
統計資料
電流振幅の上限値は1 [A]である。
インバータ側抵抗Rは1.3 [Ω]、インダクタンスLは3.5 [mH]である。
グリッド側の抵抗と inductanceは未知であるが、インダクタンスは正の値を持つ。
引述
"電流振幅の制限は非線形であり、従来の飽和系に対する手法は適用できない。"
"提案手法では、リアプノフ関数の形状と飽和関数の形状を一致させることで、安定性を保証できる。"
"モデル予測制御の最適解をサンプリングし、安定性条件を満たすように線形フィードバック制御器をフィッティングする。"