本論文では、低周波領域における電力デバイスのモデリングのために、電磁界方程式と回路方程式の結合に関する新しい手法を提案している。
まず、磁気デバイスと電気回路の個別のモデルを導入する。磁気デバイスは磁気ベクトルポテンシャルを用いた準静磁界方程式で記述され、電気回路はノーダル解析に基づいて表現される。
次に、これらの個別モデルを適切に結合することで、全体のシステムを記述する微分代数方程式を導出する。この結合システムは特殊な幾何学的構造を持ち、エネルギー保存則を満たすことが示される。
さらに、この構造を適切に離散化することで、高次の時間積分スキームや低次元モデルを系統的に構築できることが明らかにされている。また、従来の回路モデルと比べて、微分代数方程式の指数が低減されるため、数値的安定性が向上する。
数値例として、全波整流回路の解析結果が示されており、理論的な考察と整合的な振る舞いが確認されている。
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