核心概念
本稿では、ユーザーの行動を理解するために、ソーシャルメディアプラットフォーム「Scored.co」におけるユーザーの行動を、ユーザーが投稿したコンテンツの特徴とプラットフォーム上での活動に基づいて定義されたアーキタイプを通して分析し、その特性を明らかにする。
摘要
Scored.coにおけるユーザーアーキタイプの特性分析と議論における考察
本稿は、ソーシャルメディアプラットフォーム「Scored.co」におけるユーザーの行動分析に関する研究論文である。
研究目的
- Scored.coユーザーの行動を特徴付けるアーキタイプを定義し、その特性を分析すること。
- ユーザーアーキタイプ間の遷移を分析し、プラットフォーム上でのユーザー行動の変遷を明らかにすること。
方法論
- Scored.coのAPIを用いて、ユーザー、投稿、コメントを含む大規模なデータセットを収集。
- ユーザーの投稿スコア、感情、毒性などの特徴に基づいて8つのアーキタイプを定義。
- 各アーキタイプの代表的なユーザーの心理的特徴、道徳的基盤を分析。
- 時間経過に伴うアーキタイプ間の遷移確率を計算し、有意な遷移を特定。
主な結果
- 各アーキタイプは、感情表現、心理的特徴、道徳的基盤において異なる傾向を示す。
- 例えば、「LHL」アーキタイプは、信頼、喜び、期待の感情が高く、興奮度が低く、積極性が非常に高い。道徳的には、忠誠心を重視する傾向が見られる。
- 時間経過に伴うアーキタイプ間の遷移は、ユーザーの行動変化を示唆する。
- 例えば、「LHL」アーキタイプから「HLL」アーキタイプへの有意な遷移は、ユーザーがプラットフォームでの活動を通じて認知度を高め、影響力を持つようになる可能性を示唆している。
結論
- 本研究は、Scored.coにおけるユーザー行動の理解を深め、プラットフォームの設計やモデレーションに役立つ可能性がある。
- 特に、アーキタイプ間の遷移分析は、ユーザーの行動変化を予測し、それに応じた介入を行うための手がかりとなる。
意義
- Scored.coのような、これまであまり研究されてこなかったソーシャルメディアプラットフォームにおけるユーザー行動分析は、オンラインコミュニティのダイナミクスを理解する上で重要である。
- 本研究は、ユーザーの行動を多角的に捉え、その複雑さを明らかにすることで、今後のソーシャルメディア研究に新たな視点を提供するものである。
制限と今後の研究
- 本研究は、Scored.coの特定のコミュニティに焦点を当てているため、他のコミュニティやプラットフォームに一般化できるかどうかは不明である。
- 今後の研究では、より多くのコミュニティやプラットフォームを対象とした分析を行い、本研究の結果の一般化可能性を検証する必要がある。
- また、ユーザーアーキタイプとプラットフォーム上の他の要素(例:ネットワーク構造、コンテンツ拡散)との関連性を分析することも重要である。
統計資料
Scored.coのデータは、2019年10月15日のプラットフォーム開設から2024年6月1日までの期間を網羅。
収集されたデータには、207,554人のユニークユーザー、4,398,074件の投稿、36,978,685件のコメントが含まれる。
分析対象は、Scored.coで最も古く、最も活発なコミュニティである「c/TheDonald」。
「c/TheDonald」は、収集された投稿とコメントの74%を占める。
ユーザーは年間平均113件のディスカッションに参加。
ユーザーは毎月平均18~20件のディスカッションに参加。
ユーザーは、約1,000人のユニークなユーザーに接しており、月平均では300~400人。
インタラクションの44%は少なくとも5人、15%は少なくとも10人、2%は少なくとも50人が参加。
後続するノードセット間のJaccard類似度指数は、平均で64%。