核心概念
肺がんの標的療法分野で、抗体薬物複合体(ADC)、EGFR変異、ALK融合遺伝子変異などの新しい治療アプローチが注目されている。これらの治療法は患者の予後を大きく改善する可能性がある。
摘要
本記事は、2024年ASCO年次総会での肺がん治療の最新動向について議論したものです。主な内容は以下の通りです:
- 抗体薬物複合体(ADC)に関する新しいデータ
- TROP2-標的ADCであるdatopotamabの biomarkerに関する研究
- PD-1阻害薬との併用療法を検討したADCの臨床試験結果
- ADCの有効性と安全性について議論
- EGFR変異肺がんに対する治療の進歩
- バイスペシフィック抗体であるamivantamabの臨床試験結果
- 標準治療osimertinibとの比較試験(MARIPOSA)
- 耐性機序に応じた治療戦略の重要性
- ALK融合遺伝子変異肺がんに対するTKI治療
- lorlatinibの5年生存データ
- 脳転移予防効果と長期予後の改善
- 治療選択と副作用管理の重要性
全体として、肺がんの標的療法分野では、ADC、バイスペシフィック抗体、新規TKIなど、様々な新しい治療アプローチが登場し、患者予後の大幅な改善が期待されている。ただし、バイオマーカーの同定や適切な治療選択、副作用管理など、課題も残されている。
統計資料
5年時点でmedian PFSが未到達であった、ALK融合遺伝子陽性肺がんに対するlorlatinibの第III相試験(CROWN試験)の結果
EGFR変異肺がんに対するamivantamab/lazertinib併用療法のPFS改善が、すべての患者サブグループで認められた(MARIPOSA試験)
引述
"ADCの成功例はHER2ADCのみで、他のADCは期待に反する結果となっている。これは、抗体とターゲットの組み合わせが適切でないことが原因かもしれない。"
"ALK融合遺伝子陽性肺がんに対するlorlatinibの5年生存データは素晴らしい。脳転移の予防効果も非常に重要だ。"