本研究では、細菌レトロン Eco2 を用いて DNA アプタマーの細胞内発現を実現した。
まず、Eco2 の可変領域 (msd) に蛍光性 DNA アプタマー Lettuce の変異体 4L を挿入した 4つのコンストラクトを作製した。in vitroでの解析から、4LE-v4 が最も良好な DFHBI-1T 結合能を示すことが分かった。
次に、これらのコンストラクトを大腸菌 BL21AI 株に導入し、発現を誘導した。RT-DNA 解析の結果、4LE 変異体の発現量は野生型 Eco2 に比べて30-70%程度に低下していた。
しかし、in vivo 蛍光測定では、4LE-v4 が最も高い蛍光強度を示した。予想外に、4LE-v1、v2、v3 でも有意な蛍光増加が観察された。これは、in vitroと in vivoでの Lettuce アプタマーの折り畳み状態が大きく異なることを示唆している。
本研究の成果は、レトロンシステムが DNA アプタマーの細胞内発現に有効であることを実証したものである。この手法は、様々な DNA アプタマーの細胞内センサーや制御因子としての応用を可能にすると期待される。
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