本論文では、電磁誘導と磁気静電の結合を利用した新しい2段階の数値解析手法を提案している。
まず、計算領域を渦電流が存在する部分(ΩE)と磁気静電のみの部分(ΩM)に分割する。次に、2つの段階を踏む。
第1段階(DC導電段階)では、電位ϕを求める。この際、電気回路要素(ECE)境界条件を用いて、電位と磁場の結合を避ける。
第2段階(EC補正段階)では、第1段階で得られた電位ϕを用いて、磁気ベクトルポテンシャルAを求める。これにより、誘導効果を考慮した電場を計算することができる。
提案手法の妥当性を検証するため、円柱モデルを用いた数値実験を行った。均一な円柱と3つの部分からなる円柱の2ケースを検討し、提案手法の有効性を示した。特に、渦電流の影響が小さい部分では、提案手法により大幅な計算コスト削減が可能であることを確認した。
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