Concepts de base
予め定義された足場や圧力中心(CoP)軌道に依存しない、オンラインでのステップ調整が可能な、離散時間モデル予測制御(MPC)を用いたヒューマノイド歩行制御アプローチが提案されている。
Résumé
ヒューマノイド歩行のための新規MPCアプローチ
本稿では、オンラインのステップ調整を伴うヒューマノイド歩行のための、予め定義された足場や基準となる圧力中心(CoP)軌道に依存しない、離散時間モデル予測制御(MPC)を用いた新しい制御アプローチが提案されています。
階層型制御アプローチ
提案された制御システムは、上位レベルコントローラと下位レベルコントローラからなる階層型制御アプローチを採用しています。
- 上位レベルコントローラ:低次元の線形倒立振子モデル(LIPM)を使用して、目標とする歩幅と重心(CoM)の動きを決定し、目標とする速度を維持しながら転倒を防ぎます。
- 下位レベルコントローラ:上位レベルコントローラで得られた目標運動を追跡するタスク空間コントローラ(TSC)で、ヒューマノイドの全身ダイナミクスを活用します。
従来のMPCアプローチとの違い
従来のMPCアプローチでは、目標速度を維持し、基準となる足プランを追跡することを目標に、足場が生成されます。また、これらのアプローチでは、バランスをとるために足首トルクを利用して、CoP軌道も生成します。
しかし、足首トルクは足場に比べてバランスへの影響が限られているため、本稿で提案されているMPC層では、バランスをとるための足首トルクは考慮されていません。代わりに、CoPの調整は、接触制約の一部としてTSCに含まれています。
シミュレーション結果
提案されたアプローチは、トルク制御されたヒューマノイドロボットのシミュレーションでテストされています。その結果、提案された制御アプローチは安定した歩行を生成し、押し出し外乱に対して転倒を防ぐことが示されました。
本稿の貢献
本稿の主な貢献は、LIPMモデルを用いてオンラインで足場を計画する離散時間モデル予測制御の開発です。このアプローチは、事前に定義された足場や基準となる圧力中心(CoP)軌道に依存しないという点で、歩行パターン生成のための既存のMPC手法とは異なります。
Stats
ロボットは、各脚に6自由度、浮遊ベースに6自由度の、合計12個のアクチュエータ付き関節を持つ18自由度のロボットです。
ロボットの重量は69kgです。
コマンドされた前進速度は0.4m/sです。
MPCコントローラが目標とするコマンド速度に到達するまでにかかる時間は約3歩です。
ペイロードの変動は、CoMのz位置追跡における定常偏差の増加として観察されます。
ロボットの腰部に、ロボットの速度ベクトルと反対方向に、150Nの大きさの外乱を0.2秒間加えました。
CoMの速度は、外乱による減速のため、-0.2m/sに低下します。
MPCは、後方への反応的なステップを踏むことで外乱を吸収し、転倒を防ぎます。
3〜4回の回復ステップの後、外乱による運動量は完全に吸収され、ロボットは最終的に0.2m/sの定常コマンド速度に達します。
階段の高さは4cmです。
不明な地形の高さのばらつきは4cmです。
Citations
「ヒューマノイドロボットの主な目的は、外乱の下で目標とする速度で歩行するなど、目標とする移動目標を達成しながら、転倒を避けることです。」
「これらのバランス戦略の中で、回復ステップは制御のための最も効果的な手段です。」
「ロボットに予期せぬ外乱が作用した場合、ロボットの転倒を防ぐために、リアルタイムで歩幅を調整することが不可欠です。」
「従来のMPCアプローチでは、目標速度を維持し、基準となる足プランを追跡することを目標に、足場が生成されます。」
「しかし、足首トルクは足場に比べてバランスへの影響が限られているため、MPC層では、バランスをとるための足首トルクは考慮していません。」