Core Concepts
本研究では、準周期係数を持つ楕円方程式を効率的に解くための射影法を提案する。さらに、メモリ使用量を大幅に削減し、収束速度を向上させるための圧縮ストレージ手法とダイアゴナル前処理付き共役勾配法を開発する。これらの手法を組み合わせることで、準周期問題に対する高精度かつ効率的な数値解法を実現する。
Abstract
本研究の主な内容は以下の通りです。
準周期関数空間と準周期楕円方程式の定式化を紹介する。
準周期関数を高次元周期関数に変換する射影法を説明し、その離散化スキームと線形システムを導出する。
線形システムの大規模化と悪条件数の問題に対処するため、圧縮ストレージ手法とダイアゴナル前処理付き共役勾配法を提案する。
数値実験を通して、提案手法の高精度性と効率性を検証する。特に、準周期楕円方程式の解法と準周期均質化問題への適用を示す。
Stats
準周期係数α1(x) = cos(2πx) + cos(2π√2x) + 6と解u1(x) = sin(2πx) + sin(2π√2x)を用いた数値実験では、提案のC-PCGがPCGに比べて大幅な計算時間の短縮と記憶容量の削減を実現した。
周期近似法(PAM)では、ディオファントス近似誤差が数値誤差を支配することが分かった。PAMは離散点数を増やしても精度向上が限定的であった。