Core Concepts
本稿では、組合せ論的手法を用いてケイリー多項式の数え上げ問題に取り組み、ケイリー順列の降下数の分布を記述する明示的な公式を導出します。
本論文は、組合せ論、特にケイリー順列の研究における降下数の分布を記述するケイリー多項式に焦点を当てています。著者らは、組合せ種と符号反転対合を用いて、ケイリー多項式と関連する精緻化多項式の計数公式と母関数を導出します。
行列の組合せ種による解釈: 著者らは、線形順序の行列を組合せ種を用いて表現し、それらの構造と数え上げの関係を明らかにします。具体的には、Lを線形順序の種、Lmをm個の線形順序のベクトルの種とすると、m行の行列は(L ◦(Lm)+)-構造として解釈できます。
符号反転対合を用いた計数公式: 著者らは、符号反転対合という強力な組合せ論的手法を用いて、様々な種類の行列の計数公式を導出します。例えば、Matm[n]を合計がnで各列に少なくとも1つの非ゼロエントリを持つm行行列の集合とすると、その要素数は以下の式で与えられます。
|Matm[n]| = \sum_{k=0}^n \sum_{i=0}^k (-1)^i \binom{k}{i} \binom{m(k-i)}{n}
ケイリー多項式への応用: 上記の行列の計数公式を用いて、著者らはケイリー多項式の新しい明示的な公式を導出します。特に、Cn(t)をn番目の(弱い)ケイリー多項式とすると、以下の式が成り立ちます。
Cn(t) = \frac{1}{n!} \sum_{k=0}^n \sum_{i=0}^k \binom{n}{k} fub(k) \binom{k}{i} i! (t-1)^{n-i}
ここで、fub(k)はk番目のフビニ数です。