Core Concepts
ダーウィン型電磁準静的場の定式化は、ポート・ハミルトン系の枠組みで分析することで、数値的安定性と特定の電磁準静的エネルギー保存が示される。
Abstract
本論文では、ダーウィン型の電磁準静的(EMQS)場の定式化をポート・ハミルトン系の観点から分析している。
EMQS場の定式化は、マックスウェル方程式を放射効果を無視しつつ抵抗、容量、誘導効果をモデル化したものである。EMQS場の共通の特徴は、磁気ベクトルポテンシャルと電気スカラーポテンシャルを用いたダーウィン-アンペール方程式である。
EMQS場の定式化は、追加のゲージ方程式の選択によって、マックスウェル方程式の異なる近似を与える。これらのEMQS定式化をポート・ハミルトン系(PHS)の枠組みで分析した。
ダーウィン-アンペール方程式とマックスウェルの連続の式の組み合わせに基づく定式化は、PHS互換性方程式により、数値的安定性と特定のEMQSエネルギー保存を示唆することが明らかになった。
一方、ダーウィン連続の式をマックスウェルの連続の式で置き換えた対称化された定式化は、PHS構造を持つことが示された。さらに、ラグランジュ乗数を用いて明示的にクーロンゲージ条件を課した定式化もPHS構造を有することが明らかになった。
Stats
EMQS場の定式化では、ダーウィン-アンペール方程式と呼ばれる以下の式が共通して用いられる:
curl(νcurlA) + κ ∂∂tA + κgradϕ + εgrad ∂∂tϕ = JS
ここで、ε ∂2∂t2Aの項が省略されている。
また、ダーウィン連続の式:
div(κ ∂∂tA + κgradϕ + εgrad ∂∂tϕ) = divJS
は(1)式に暗黙的に含まれ、ε ∂2∂t2Aのdivが省略されている。
Quotes
「ダーウィン型EMQS場の定式化は、ポート・ハミルトン系の枠組みで分析することで、数値的安定性と特定のEMQSエネルギー保存が示される」