Core Concepts
RAG1 および RAG2 の非コア領域の欠失は、BCR-ABL1 駆動性 B 細胞系リンパ芽球性白血病の悪性化と標的外 V(D)J 組換えの増加に関与する。
Abstract
本研究では、BCR-ABL1 駆動性 B 細胞系リンパ芽球性白血病マウスモデルを用いて、RAG1 および RAG2 の非コア領域の欠失が白血病の進行と標的外 V(D)J 組換えに及ぼす影響を調べた。
主な結果は以下の通り:
RAG1 および RAG2 の非コア領域を欠失したマウスでは、より悪性度の高い白血病が発症し、生存率が低下した。
非コア領域欠失マウスの白血病細胞では、標的外 V(D)J 組換えの頻度が高く、RAG クリーベージ精度の低下と小さな組換え断片サイズが観察された。
RAG1 の非コア領域の欠失が、特に標的外 V(D)J 組換えの増加に大きく寄与していることが示された。
これらの結果から、RAG の非コア領域、特に RAG1 の非コア領域が、BCR-ABL1 駆動性 B 細胞系リンパ芽球性白血病における V(D)J 組換えの精度と ゲノム安定性の維持に重要な役割を果たすことが明らかになった。
Stats
cRAG 白血病細胞では、fRAG 白血病細胞に比べて、リン酸化H2AX(γH2AX)の発現が高かった。
cRAG1 白血病細胞では、標的外 V(D)J 組換えの断片サイズが小さく(1,000 bp未満が48%)、fRAG および cRAG2 白血病細胞に比べて大きな断片サイズ(10,000 bp以上)の組換えが少なかった(6%)。
Quotes
"非コア RAG 領域、特に RAG1 の非コア領域が、BCR-ABL1+ B-ALL におけるV(D)J 組換えの精度とゲノム安定性の維持に重要な役割を果たす"
"cRAG1 白血病細胞では、標的外 V(D)J 組換えの断片サイズが小さく、fRAG および cRAG2 白血病細胞に比べて大きな断片サイズの組換えが少なかった"