Core Concepts
STING活性化によって引き起こされる組織炎症は、TNFシグナリングの増強によって仲介される。
Abstract
本研究では、STING活性化に伴う自己炎症性疾患SAVIのマウスモデルを用いて、TNFシグナリングの役割を解明した。
まず、TNF阻害薬のインフリキシマブを投与したところ、T細胞リンパ球減少症は部分的に改善されたが、肺炎症には影響がなかった。一方、TNFR1およびTNFR2の遺伝子欠損により、T細胞リンパ球減少症、肺炎症、神経変性が改善された。TNFR1/2欠損はSTING活性化によって誘発される炎症性サイトカイン、ケモカイン、接着因子の発現を抑制した。さらに、肺内皮細胞におけるニュートロフィルの過剰な遊走も改善された。
以上より、TNFR-シグナリングがSTING活性化に伴うSAVI病態の発症に中心的な役割を果たすことが明らかになった。TNFR阻害薬は、SAVI患者の症状を改善する可能性がある。
Stats
STING活性化によって引き起こされる肺炎症は、TNFR1欠損によって著しく改善された。
STING活性化肺内皮細胞におけるケモカイン、接着因子の発現上昇は、TNFR1/2欠損によって抑制された。
STING活性化肺内皮細胞のニュートロフィル接着および遊走能は、TNFR1依存的に亢進していた。
Quotes
"TNFR1シグナリングが、SAVI病態の発症に中心的な役割を果たす"
"TNFR阻害薬は、SAVI患者の症状を改善する可能性がある"