Core Concepts
Entomophthora muscaeとその近縁種の遺伝子解析から、トランスポゾンの増殖による巨大ゲノム化、宿主特異性、光周性の特徴が明らかになった。
Abstract
本研究では、Entomophthora muscaeの新たなゲノムアセンブリを作成し、他のEntomophthorales菌類のゲノムデータと比較することで、これらの菌類の生物学的特徴を明らかにした。
主な知見は以下の通り:
Entomophthorales菌類のゲノムは非常に大きいが、遺伝子数は通常の真菌と同程度である。これは、Ty3レトロトランスポゾンの大規模な増殖によるものである。
Entomophthorales菌類は、M16Aペプチダーゼやブルーライトセンサーのホモログを持つなど、宿主特異性や光周性に関連する特徴的な遺伝子を持つ。
Entomophthora muscaeは、酸性トレハラーゼの拡大や分泌酵素の特徴的なセットを持つなど、他のEntomophthorales菌類とは異なる特徴を示す。
形態学的特徴に基づいて定義されているEntomophthora muscae種複合体の分類は、分子データに基づくと大幅な改訂が必要であることが示唆された。
本研究は、これまで研究の進んでいなかったEntomophthorales菌類の生物学的理解を深める重要な基盤を提供するものである。
Stats
Entomophthora muscaeのゲノムサイズは1.03 Gbと非常に大きい。
Entomophthora muscaeのゲノムには、Ty3レトロトランスポゾンが全ゲノムの約40%を占める。
Entomophthora muscaeは、M16Aペプチダーゼを他の菌類に比べて多く持つ。
Entomophthora muscaeは、ブルーライトセンサーのホモログを持つ。
Entomophthora muscaeは、酸性トレハラーゼを他の菌類に比べて多く持つ。
Quotes
「Entomophthora muscaeは、Ty3レトロトランスポゾンの大規模な増殖によりゲノムが非常に大きくなっている。」
「Entomophthora muscaeは、M16Aペプチダーゼやブルーライトセンサーのホモログを持つなど、宿主特異性や光周性に関連する特徴的な遺伝子を持つ。」
「Entomophthora muscaeは、酸性トレハラーゼの拡大や分泌酵素の特徴的なセットを持つなど、他のEntomophthorales菌類とは異なる特徴を示す。」