Core Concepts
ゲノムデータから細菌のサイドロフォア合成経路と受容体を高精度に予測することができる。
Abstract
本研究では、ゲノムデータから細菌のサイドロフォアであるピオベルジンの合成経路と受容体を高精度に予測する新しい生物情報学的パイプラインを開発した。
主な成果は以下の通り:
改良したアノテーションパイプラインにより、1,664株のPseudomonas細菌のピオベルジン合成遺伝子クラスターを高精度に同定し、18,292個のアミノ酸選択ドメイン(A-ドメイン)を抽出した。
特徴配列に基づく系統学的手法により、これらA-ドメインの基質特異性を97.8%の精度で予測することができた。これにより、188種類の新規ピオベルジン分子構造を同定した。
配列領域に基づく機械学習手法により、4,547個のピオベルジン受容体(FpvA)を高精度に同定し、94の異なるFpvAグループを見出した。これは従来知られていた3グループを大幅に上回る多様性である。
本パイプラインは、ピオベルジンに留まらず、他の細菌二次代謝産物の予測にも適用可能であることを示した。
以上のように、本研究は細菌の二次代謝の理解を大きく前進させ、新薬開発や微生物生態学の研究に貢献する可能性がある。
Stats
ピオベルジン合成遺伝子クラスターは1,664株中1,664株(97%)で見出された
18,292個のA-ドメインが同定された
188種類の新規ピオベルジン分子構造が予測された
4,547個のFpvA受容体が同定され、94の異なるFpvAグループが見出された
Quotes
"我々の生物情報学的パイプラインは、ピオベルジンに留まらず、他の細菌二次代謝産物の予測にも適用可能である。"
"本研究は細菌の二次代謝の理解を大きく前進させ、新薬開発や微生物生態学の研究に貢献する可能性がある。"