Core Concepts
膜タンパク質の生合成過程において、リボソーム-トランスロコン複合体は動的に構造変化し、様々な補助因子と相互作用することで、効率的な膜タンパク質の挿入と輸送を実現している。
Abstract
本研究では、クライオ電子顕微鏡法と構造予測の最新の進歩を活用し、リボソーム-トランスロコン複合体の複数の新規構造を明らかにした。
具体的には以下の知見が得られた:
膜貫通ドメインがSec61のラテラルゲートを通過する際の構造変化
nascent chainがリボソーム蛋白質uL22の構造を制御する様子
トランスロコン関連蛋白質(TRAP)複合体が生合成の異なる段階で位置を調整する様子
予想外にSec61のラテラルゲートにRAMP4が多数取り込まれ、Sec61のポア径を広げ、親水性の内部を形成する
これらの構造情報は、トランスロコンの機能メカニズムに関する仮説を導き出し、多様な基質に柔軟に対応できる驚くべき可塑性を持つ装置であることを示唆している。
Stats
膜貫通ドメインがSec61のラテラルゲートを通過する際の長さは約11Å(約3アミノ酸)である。
RAMP4はSec61のラテラルゲートに約85%の割合で取り込まれている。
Quotes
"RAMP4は、Sec61のラテラルゲートに取り込まれ、Sec61のポア径を広げ、親水性の内部を形成する。"
"uL22のC末端ヘリックスは、リボソームとトランスロコンの接合部に結合し、nascent chainの通過を制御する。"