DAG上の無認証コンセンサスプロトコルMysticeti-Cによる低遅延の実現

Core Concepts

Mysticeti-Cは、DAGベースの合意プロトコルとして、明示的な認証を必要とせずに3ラウンドの遅延で合意を達成できる初めてのプロトコルである。また、クラッシュ障害に対してもパフォーマンスの大幅な劣化なく耐性を持つ。

Abstract

Mysticeti-Cは、DAGベースのバイザンチン合意プロトコルである。従来のDAGベースのプロトコルでは、ブロックの認証に複数ラウンドの遅延がかかり、全体の遅延が高くなっていた。
Mysticeti-Cは、ブロックの明示的な認証を必要とせず、3ラウンドの遅延で合意を達成できる。これは、ブロックの認証を暗黙的にDAGの構造から導出することで実現している。
具体的には、Mysticeti-Cでは、各ラウンドで提案されたブロックを直接コミットできるようにし、ブロックの波単位でのコミットを必要としない。また、クラッシュしたバリデータを即座に特定し除外することで、クラッシュ障害に対する耐性も高い。
さらに、Mysticeti-Cはシングルメッセージタイプ(署名付きブロック)とシングルマルチキャスト通信を使うことで、実装の複雑さを大幅に削減している。

Stats

Mysticeti-Cは、WAN環境で0.5秒の合意コミット遅延と10万TPS以上の高スループットを実現している。
また、主要ブロックチェーンへの統合により、4倍の遅延削減を達成した。

Quotes

"Mysticeti-Cは、DAGベースの合意プロトコルとして、明示的な認証を必要とせずに3ラウンドの遅延で合意を達成できる初めてのプロトコルである。"
"Mysticeti-Cは、クラッシュ障害に対してもパフォーマンスの大幅な劣化なく耐性を持つ。"

Key Insights Distilled From

Mysticeti: Reaching the Limits of Latency with Uncertified DAGs

by Kushal Babel... at arxiv.org 05-01-2024

https://arxiv.org/pdf/2310.14821.pdf

Deeper Inquiries

Mysticeti-Cの設計思想は、他のコンセンサスプロトコルにどのように応用できるか?

Mysticeti-Cの設計思想は、低遅延でのブロックチェーンの運用を可能にする革新的なアプローチを提供しています。このプロトコルは、ブロックの認証を省略し、各ブロックを直接提案および決定できるようにすることで、低遅延を実現しています。また、クラッシュしたバリデータを即座に特定して除外することで、クラッシュ障害に対しても高い耐性を持っています。このような設計思想は、他のコンセンサスプロトコルにも適用できます。例えば、他のブロックチェーンプラットフォームや分散システムにおいても、Mysticeti-Cのアイデアを取り入れることで、より低遅延でのトランザクション処理や高い信頼性を実現することが可能です。

Mysticeti-Cの安全性と活性を保証する上で、どのような重要な設計上の課題があったか?

Mysticeti-Cの安全性と活性を確保するためには、いくつかの重要な設計上の課題が存在しました。まず、ブロックの認証を省略することで、ブロックの整合性やデータの可用性を確保する必要がありました。また、クラッシュしたバリデータを迅速に特定して除外することで、ネットワークの信頼性を維持する必要がありました。さらに、低遅延を実現するためには、ブロックの決定ルールやプロポーザースロットの適切な管理が必要でした。これらの課題を克服するために、Mysticeti-Cは独自の決定ルールやプロトコルを導入し、安全性と活性を確保しています。

Mysticeti-Cの性能向上のために、どのような新しいハードウェアやネットワーク技術が役立つか?

Mysticeti-Cの性能向上を図るためには、新しいハードウェアやネットワーク技術の活用が重要です。例えば、高性能なプロセッサやメモリを搭載したサーバーを使用することで、ブロックの処理速度を向上させることができます。また、高速なネットワーク接続や低遅延の通信プロトコルを採用することで、ブロックチェーンネットワーク全体のパフォーマンスを向上させることができます。さらに、分散ストレージシステムやデータベース技術の導入により、ブロックチェーンのデータ管理や処理効率を向上させることができます。これらの新しいテクノロジーを組み合わせることで、Mysticeti-Cの性能をさらに向上させることが可能です。