Core Concepts
Raspberry Piを使って、Ethereum Proof-of-Work (PoW)ネットワークを簡単にブートストラップできるブロックチェーン・イン・ア・ボックスシステムを開発した。
Abstract
本論文では、Raspberry Piノードを使ってEthereum Proof-of-Work (PoW)ネットワークを簡単に立ち上げられるブロックチェーン・イン・ア・ボックスシステムのプロトタイプを紹介する。
このシステムは以下の特徴を持つ:
個別のRaspberry Piノードで構成されており、ローカルネットワーク上で動作する
マスターサーバーを通じてWebベースのユーザーインターフェイスから、ブロックチェーンネットワークの初期化や運用を管理できる
各Raspberry Piノードにはディスプレイが接続されており、ローカルブロックチェーンの状態を視覚的に確認できる
異なるP2Pトポロジーを設定して、コンセンサスの質を測定する実験を行うことができる
このプロトタイプは、ワークショップや教育現場での利用を想定しており、インターネット接続なしでも完全に機能するブロックチェーンシステムを提供する。また、Ethereumメインネットでは実施が難しい実験を行うことができ、ブロックチェーンコンセンサスの理解を深めるのに役立つ。
Stats
ブロックチェーンのメインチェーンに含まれるブロックの割合(メインチェーンレート)は、リングトポロジーが最も高く、グリッドトポロジー、スタートポロジーの順に低くなる。
ブランチング比(フォークの数)は、スタートポロジーが最も高く、グリッドトポロジー、リングトポロジーの順に低くなる。
ノードの貢献度は、理想的には均等になるべきだが、特にスタートポロジーでは中央ノードの貢献度が高く、一部のノードはメインチェーンに全く貢献していない。
初期コンセンサス確立までに必要なブロック数は、ほとんどのケースで25ブロック以下だが、100ブロック以上かかるケースもある。
Quotes
"ハードウェアセットアップを使うことで、ソフトウェアシミュレーションでは再現できないような、より現実的な動作を観測できる。"
"ネットワークのP2Pトポロジーがコンセンサスの効率に大きな影響を及ぼすことがわかった。また、特定のイーサリアムクライアント実装(今回はgethを使用)の設計方針によっても大きく影響を受ける。"