本研究では、出芽酵母のScm3がDNA損傷応答(DDR)経路に関与することを示した。
まず、Scm3欠損細胞がDNA損傷剤に感受性を示すことを明らかにした。Scm3欠損細胞では、DNA損傷に対する修復が不十分で、Rad52フォーカスの形成が増加していた。これは、Scm3がDNA損傷部位に局在し、DDR経路の活性化に寄与することを示唆している。
さらに、Scm3欠損細胞では、DNA損傷応答キナーゼRad53のリン酸化が低下しており、DNA損傷チェックポイントの活性化が適切に行われていないことが明らかになった。これにより、Scm3欠損細胞はDNA損傷に対して適切に細胞周期を停止できず、多芽細胞が増加した。
加えて、Scm3はDNA損傷に応答して、リン酸化修飾を受けることが示された。このScm3のリン酸化は、Mec1キナーゼに依存しないことが明らかになった。
以上の結果から、Scm3はDNA損傷応答経路の活性化に関与し、DNA修復を促進することが明らかになった。この知見は、CENP-Aシャペロンが染色体安定性の維持に果たす多様な役割を示すものである。
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by Agarwal,P., ... at www.biorxiv.org 07-27-2024
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