Core Concepts
バルクMoS2において、スピン角運動量を持つ光パルスを用いることで、時空間反転対称性を一時的に破ることで、非共鳴的に谷分極を誘起できることを示した。
Abstract
本研究では、バルクMoS2における谷分極の光学的制御について報告している。
谷分極は電子の自由度の一つであり、エネルギー効率の高い情報処理への応用が期待されている。
しかし、谷分極を実現するには、単層構造や特定の材料設計が必要とされてきた。
本研究では、スピン角運動量を持つ光パルスを用いることで、バルクMoS2においても時空間反転対称性を一時的に破ることができ、非共鳴的に谷分極を誘起できることを示した。
具体的には、非共鳴の光プローブパルスの第2高調波の生成を観測することで、谷分極の生成を確認した。
この手法は、層数に依らず、バルク材料でも谷分極の制御が可能であり、量子コヒーレントなタイムスケールでの効率的なバレートロニクスデバイスの開発につながると期待される。
Stats
バルクMoS2において、スピン角運動量を持つ光パルスを用いることで、時空間反転対称性を一時的に破ることができる。
非共鳴の光プローブパルスの第2高調波の生成を観測することで、谷分極の生成を確認できる。
Quotes
光学的位相制御によりバルクMoS2の電子トポロジーを変化させ、時空間反転対称性を一時的に破ることができる。
谷分極の制御は単層構造に限定されず、バルク材料でも可能である。