Core Concepts
大規模量子コンピューティングおよびシミュレーションに必要な大規模量子ビット容量と個別読み取り能力を、2次元イオントラップ量子シミュレーターで実現した。
Abstract
本研究では、2次元ワイグナー結晶中の512個のイオンを安定的に捕捉し、その横方向運動をサイドバンド冷却することに成功した。さらに、300個のイオンを用いて、長距離量子イジング模型のシミュレーションを行った。単一ショット測定による位置分解能により、擬断熱的に準備された基底状態における豊かな空間相関パターンを観測し、集団フォノンモードおよびクラシカルシミュレーテッドアニーリングとの比較から、量子シミュレーションの結果を検証した。また、横磁場中のイジング模型の急冷ダイナミクスを探査し、量子サンプリングタスクを実証した。本研究成果は、古典的に扱えない量子ダイナミクスのシミュレーションや、ノイズの影響を受けるミドルスケールの量子アルゴリズムの実行に向けて、2次元イオントラップ量子シミュレーターの道を開くものである。
Stats
512個のイオンを2次元ワイグナー結晶中に安定的に捕捉した。
300個のイオンを用いて長距離量子イジング模型のシミュレーションを行った。
Quotes
「大規模量子コンピューティングおよびシミュレーションに必要な大規模量子ビット容量と個別読み取り能力を、2次元イオントラップ量子シミュレーターで実現した。」
「単一ショット測定による位置分解能により、擬断熱的に準備された基底状態における豊かな空間相関パターンを観測し、量子シミュレーションの結果を検証した。」
「本研究成果は、古典的に扱えない量子ダイナミクスのシミュレーションや、ノイズの影響を受けるミドルスケールの量子アルゴリズムの実行に向けて、2次元イオントラップ量子シミュレーターの道を開くものである。」