Core Concepts
有限集合Hに対して、H部分グラフを含まないグラフクラスの問題の複雑性を分類する。特に、多項式時間解決可能な問題と、部分立方グラフ上でNP困難な問題の境界が、C123問題とC12問題で異なることを示す。
Abstract
本論文では、有限集合Hに対して、H部分グラフを含まないグラフクラスの問題の複雑性を分類する。
C123問題は、有界トリー幅のグラフクラスで多項式時間解決可能、部分立方グラフ上でNP困難、そして部分グラフの細分化に対してNP困難性が保存されるという3つの条件を満たす問題である。C123問題に対しては、H部分グラフを含まないグラフクラスの問題の完全な複雑性分類が可能である。
一方、C12問題は、C1とC2の条件は満たすが、C3の条件を満たさない問題である。本論文では、k-Induced Disjoint Paths、C5-Colouring、Hamilton Cycle、Star 3-Colouring といったC12問題について研究を行う。これらの問題では、C123問題とは異なり、H部分グラフを含まないグラフクラスにおける問題の複雑性分類が異なることを示す。
具体的には、k-Induced Disjoint PathsはH1-部分グラフ禁止クラスとH2-部分グラフ禁止クラスで多項式時間解決可能だが、H4以降の部分グラフ禁止クラスではNP困難となる。C5-Colouringはh3-部分グラフ禁止クラスで多項式時間解決可能だが、h1,h2 mod 3のクラスでNP困難となる。Hamilton Cycleはh1-部分グラフ禁止クラスで多項式時間解決可能である。Star 3-Colouringは(h1,h2,h3)-部分グラフ禁止クラスで多項式時間解決可能だが、h奇数のクラスでNP困難となる。
以上のように、C123問題とは異なり、C12問題では、H部分グラフを含まないグラフクラスにおける問題の複雑性分類が多様であることが示された。