Core Concepts
ケイリー距離とケンドールτ距離におけるパーミュテーション符号の最大サイズを、ギルバート-バーシャモフ境界よりも対数因子だけ改善した。
Abstract
本論文では、ケイリー距離とケンドールτ距離におけるパーミュテーション符号の最大サイズを解析している。
まず、ケイリー距離とケンドールτ距離の定義を説明する。ケイリー距離は2つのパーミュテーションを変換するのに必要な最小の置換の数であり、ケンドールτ距離は隣接する要素の交換の最小数である。
次に、ケイリー距離とケンドールτ距離におけるパーミュテーション符号の最大サイズを表す既存の上界と下界を紹介する。特に、ギルバート-バーシャモフ(GV)下界は重要である。
本論文の主な貢献は、GV下界を対数因子だけ改善することである。具体的には、ケイリー距離の場合、C(n,t) ≥ Ωt(n! log n / n^(2t))、ケンドールτ距離の場合、K(n,t) ≥ Ωt(n! log n / n^t)と示した。
この改善は、グラフ理論の手法を用いて証明される。具体的には、パーミュテーション符号を独立集合とみなし、その独立集合数を評価することで、GV下界を改善している。
Stats
ケイリー距離dC(π,σ)は、πからσに変換するのに必要な最小の置換の数である。
ケンドールτ距離dK(π,σ)は、πからσに変換するのに必要な最小の隣接する要素の交換の数である。
C(n,t)はケイリー距離が t+1以上の t-ケイリーパーミュテーション符号の最大サイズ
K(n,t)はケンドールτ距離が t+1以上の t-ケンドールパーミュテーション符号の最大サイズ