Core Concepts
頂点被覆数に関してレベル制約付きグラフ描画問題をFPT時間で解くことができる。
Abstract
本論文では、レベル制約付きグラフ描画問題(Constrained Level Planarity)の固定パラメータ tractable(FPT)アルゴリズムを提案する。
レベル制約付きグラフ描画問題は、グラフの頂点をあらかじめ指定されたy座標(レベル)に配置し、各レベルの頂点の左右順序が与えられた部分順序の線形拡張になるように描画する問題である。この問題は非常に難しいことが知られており、先行研究では、木深さ、フィードバック頂点集合数、パス幅などの小さなグラフパラメータに関してもNP困難であることが示されていた。
本論文では、頂点被覆数をパラメータとした場合、レベル制約付きグラフ描画問題がFPT時間で解けることを示す。この結果は最適であり、頂点被覆数以外の小さなパラメータに関してFPTアルゴリズムが存在したり、多項式時間アルゴリズムが存在したりすることはできない。
アルゴリズムの概要は以下の通り:
頂点被覆に関する可視性拡張の core部分を列挙する。
コア部分に遷移頂点を挿入する。
残りの葉頂点と耳頂点を挿入する。
この3ステップにより、与えられた制約付きレベルグラフに対する制約付きレベル平面描画を構成することができる。
Stats
頂点被覆数kに関して、コア部分の描画は頂点数とエッジ数がO(k)である。
使用されるチャネルの数は高々O(k^2)である。