Core Concepts
非構造格子上の有限体積法では、打ち切り誤差の次数よりも高次の収束率が得られることがある。この現象の説明には、(p+1)次多項式に対する打ち切り誤差の平均が0になるという条件が重要である。
Abstract
本論文では、線形双曲系に対する有限体積法の収束率について研究している。特に、多項式再構成を用いる有限体積法、マルチスロープ法、1次精確エッジベース法、フラックス補正法などを取り上げ、これらの方法が(p+1)次の収束率を示すことがある理由を説明している。
主な内容は以下の通り:
有限体積法の一般的な定式化を示し、各手法の特徴を説明する。
(p+1)次多項式に対する打ち切り誤差の平均が0になるという条件を導入する。
この条件が必要条件であり、追加の仮定の下で十分条件でもあることを示す。
具体的な手法について、この条件を検証し、(p+1)次の収束率が得られる理由を明らかにする。
数値実験により、提案した理論的考察の妥当性を確認する。
全体として、有限体積法の高次精度化のメカニズムを解明し、その理論的基盤を与えることが本論文の目的である。
Stats
非一様格子上の基本的な有限体積法は1次精度しか持たない。
多項式再構成を用いる有限体積法は、非一様格子上でもp+1次の収束率を示す。
マルチスロープ法は、正三角形格子上で2次精確である。
フラックス補正法は、単体格子上で2次精確であり、定常問題では3次の収束率を示す。
Quotes
"有限体積法の線形高次精度には数学的な基盤がない。超収束は時に起こり、時に起こらない – しかし両方の場合において、なぜそうなるのかは明らかではない。"
"打ち切り誤差の平均が0になるという条件は、(p+1)次の収束率を得るための必要条件である。追加の仮定の下では、この条件は十分条件でもある。"